ラズベリー
「うわー、麻衣さんの凄い作品ですね。さすが、西園寺〈サイオンジ〉様のところのメイドですわ」
「何を言うんですの。静香さんだってさすがですわ。さっすが、天宮〈アマミヤ〉様のところのメイドさんはすごいわ」
アハハハハハハハッ
彼女たちはさらに大きな声で満面の笑みで笑っていた。
「なに?あの2人」
物珍しそうに見ている美怜。
「あれはね、下村 麻衣[シモムラ マイ]。その左横が中野 静香[ナカノ シズカ]。2人とも香椎、東宮の次に偉い所のメイドだよ」
なんとなく感心する。
「へぇ、じゃあ、
あれは社交辞令ってこと!?」
「まぁ、そうかな。
それにしても、やっぱり
英才教育受けてきたんだなぁ」
「えっ?」
「だってほら見て。
あっちもそっちも
どこかの使用人じゃん!」
英理は膨れっ面のまま、その子たちを指差している。
その指の方向を見て、また感心した。
「そうなんだ。そういうの
全く分からないんだよね」
「マジで!?上下関係は
分かっといた方が便利だよ」