ラズベリー
おかしい。
毎日どこかの会社名はニュースで流れている時代なのに。
「だって、香椎 優輝も
知らなかったんだよ?」
「確かに」
(だって、今まで
そんなのに興味なかったもん!)
そんなこと、どうしても言えない私。
「あの子達やっぱり上手いなぁ。
素人でも分かって……えっ!?」
英理は羨ましそうに周りを眺めていた。
「ん?どうかした?」
美怜はゆっくりと英理に顔を近づける。
英理は真下を見ているようだ。
視点が動かないどころか、瞬きすらしていない。
そして、いきなり顔を勢い良く上げた。
「どうした?って
ケロッとした顔で言わないでよ」
その顔が覗き込んでいた美怜と顔面がぶつかる。
「……!?」
「美怜、その作品
凄すぎなんだけど…」
その作品は、桜をメインにいた風流が感じられるものだった。