ラズベリー


おかしい。


毎日どこかの会社名はニュースで流れている時代なのに。


「だって、香椎 優輝も
知らなかったんだよ?」


「確かに」


(だって、今まで
そんなのに興味なかったもん!)



そんなこと、どうしても言えない私。



「あの子達やっぱり上手いなぁ。
素人でも分かって……えっ!?」



英理は羨ましそうに周りを眺めていた。



「ん?どうかした?」



美怜はゆっくりと英理に顔を近づける。


英理は真下を見ているようだ。


視点が動かないどころか、瞬きすらしていない。


そして、いきなり顔を勢い良く上げた。



「どうした?って
ケロッとした顔で言わないでよ」



その顔が覗き込んでいた美怜と顔面がぶつかる。



「……!?」


「美怜、その作品
凄すぎなんだけど…」



その作品は、桜をメインにいた風流が感じられるものだった。

< 73 / 222 >

この作品をシェア

pagetop