ラズベリー
まだ何をしたのかよく分かっていないようだ。
頭には『?マーク』が浮かんでるようだ。
そして、赤い鼻をした美怜が話し始めた。
「そう?お母さんに
教わっただけだけど」
「前からちょっと一般人じゃないっぽいところが多いと思ってたけど、美怜のお母さんってもしかして……」
「あああぁぁ───!!!
そろそろ私の番だ。
行って来るね!」
私はその作品を手にしながら、駆け足で先生の方に向かった。
険しい顔で美怜が逃げた方をにらんだ。
「やっぱり怪しい」
心臓が予想以上にバクバクいっている。
(あ、あ、危なかったー)
「「何あの子!?」」
物陰にさっきのやかましい2人がいたことなんて、全く気付かないまま……。
そして先生に見てもらって、凄く褒められてしまった。
3人ほどの、そこそこ年のおばあさん達がいて、その中の人が、
『こんなに芸術的な作品は
初めて出会ってしまったわ』
っていう先生までいたぐらいだった。