ラズベリー
「そんな事ありませんわ。
麻衣さんを見ていると、
まだまだ一般人は未熟ですわ」
頭にきてケンカに乗ってしまった私。
『一般人』って単語はさらに強調していた。
(なによ、私が『東宮の令嬢』
だって気付かないくせに……)
周りには静けさと冷たさが残る。
まだ完全な春だからではない。
そして英理にも皆にも2人の間には火花が見えた気がした。
そして、それを見ていた周りは直感しただろう。
『この2人には決して
関わらない方が良い』と。
次の日に、廊下には仲良く2人の華道の作品が並ばれる運命であっても。
そして、因縁の対決の幕開けを切ったのであった。