ラズベリー
私たちは今休み時間だ。
机にドカッと座る麻衣。
「もう!悔しいわ。
なんであんな一般人に
遅れを取らないといけないのよ」
有得ないほどのご立腹。
「そんなことありませんわ。
華道も英語も同じぐらいです」
フォローがいまいち出来ていない様子で、無理やりカバーしながらも軽く静香の顔が引きつっていた。
「同じじゃダメなのよ。
上をいかないと」
「そーかもですけど」
「そもそも、なんであんな
一般人がワルツ踊れんのよ!」
ガタンッ
思わず、思いっきりテーブルを叩いた。
「確かに不思議ですよね」
確かにと考え込む2人。
そんな中、本当は痛くて仕方ない両手を麻衣は抑えるかのように爪をたてて握り締めていた。
片隅でただ1人、頭を抱える人がいた。
いつもみたいにやかましい様子ではない。
「やっぱり怪しいよね。
何か隠してるよ、きっと」
視線はちょっとチヤホヤされてる美怜を見ている。
左肘をついて、大きなため息をついていたのは英理だった。