ラズベリー
第4話
・私の正体の秘密
そして昼休み。
天気は気持ちいいほど快晴だった。
庭園に出ると、たくさんのメイド候補や先輩が昼をとっていた。
たくさんの話し声が木霊するように聞こえている。
私の希望で出来るだけ人の少ない木陰で食べることにした。
木にもたれながら、先程作った白魚のソテーを広げ始めた。
「………」
「じゃあ、さっそく
話してもらおうかな」
英理がエビフライを箸で刺している。
「あ、うん。あのね、
私のお母さんは単なるしゅ」
すぐさまに言葉を遮られる。
「『単なる主婦』とかいう
誤魔化しは効かないから!」
やっぱり。
嘘は通用しなかった。
逃げるべきか…。
軽く腰を上げようとした。
「ご飯ぐらい、
落ち着いて食べようねー」
怖い。
英理の笑みは悪魔を通り過ぎていた。