ロスト・クロニクル~前編~

 いつもなら眠気に抗って勉強を行うのだが、今日は素直に眠気を受け入れた。

 たまには、このような時もいいだろう。

 それにとても気持ちが良く、大きく溜息を付くと全身の力を抜いた。

 ふと瞼を閉じる瞬間、手紙に書いた文字が目に入る。

『彼女は元気でやっていますか?』

 その答えを貰えるのは、かなり先のこと。

 相手に手紙が到着して、返信を書かないといけないからだ。

 エイルは、深い眠りに付く。

 明日はどのようなことが起きるのかと、期待と不安が入り混じる夢を見ながら。

 そして、明日を迎えた。


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