恋する乙女

もう、いない。

思い出すだけで涙が溢れ来てきてしまう。


だけどあの頃のように君は私の涙を拭ってはくれないんだね。


君は今誰を見ているのかな?


私はまだ、君を諦めきれそうにないよ。



こんな私を見たら君はどう思うのだろうか。


情けない?諦めの悪い奴?馬鹿な奴?


でもね、ケータイのメモリーにはね、私と君がしあわせそうに笑ってるのばっかりなんだ。



それを見るとやっぱり涙が溢れる。



でも、いつまでも後ろを向いてちゃいけないんだよね。



分かってる。ちゃんと分かってる。



でもね。今すぐには、むりだから…


もう少し、君を好きでいてもいいかな?



君と過ごした日々を思い出しててもいいかな?



君との思い出を消さなくていいかな?



ちゃんと想い出に出来るまでは、いいかな?




君は僕のとなりに...




―――――もう、いない。




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