地味子と王子様
王子!?
授業が終わると、あたしの親友、美和がこちらに駆け寄ってきた。
大きな瞳に、ぷるぷるの唇。
明るめのブラウンの髪は、少し巻かれている。
美和は、これでもかってくらい可愛いんです‼︎
だから、いつも男の子から熱い視線を受けています。
さっきの授業、全力疾走して、ギリギリで間に合ったんだ。
体力には自信があるんだ!
「あの雪奈が授業に遅れそうになるなんて珍しいね?」
美和があたしに話しかけてきた。
首を傾げる仕草が可愛くて、女のあたしでも見惚れてしまう。
「なんかね?…変な人にあっちゃって、あたしの、このみっともない素顔が…ば、ばれちゃったの…」