巡り合いの中で


 しかしその前に、どのような状況になっているのか見に行かないといけない。

 あれだけの爆発を起こしたのだから、爆発を起こした機械は木端微塵に吹っ飛んでいる可能性が考えられる。

 家電のひとつくらい破壊されたところで痛くも痒くもないが、これが一回で済むか――

 機械に慣れていない関係で、これから何度も破壊をしてしまうかもしれない。

 そう考えるとセネリオの気分は重く、早めに操作方法を覚えて欲しいと願う。

 するとセネリオの考えに反するかたちで、二回目の爆発音が響き渡る。

 それと同時に、セネリオは盛大な溜息を漏らした。




「酷いな」

「酷いですね」

「どうすれば、こうなるのか……」

「機械に慣れていないと、こうなってしまうのでしょうか? いえ、悪い意味ではないです」

「この時代では、珍しいね」

 ライアスの指摘に、セネリオはそのようにしか答えることができない。

 報告の通り爆発が起こった場所は給湯施設が整えられた場所で、物凄い爆発が起こったのか床と壁が真っ黒になっている。

 また部屋から黒い煙が漏れ出し、片付けを行っている侍女達が咳込んでいた。

 急き込んでいる侍女の中にセリナを発見したセネリオは彼女の名前を呼ぶと、状況の説明を求める。

 まさか預かったアリエルがこのようなことを仕出かすとは予想していなかったのだろう、深々と頭を垂れる。

 そして強い責任感がそうさせているのか、顔色が悪かった。

「も、申し訳ありません」

「いや、謝らなくてもいい。こうなってしまうのは仕方がなく、使い方が知らなかったのだから」

「簡単に、使い方を教えました」

「一回では、無理だ」

「ですが、爆発とは……」

「怪我人はいないと聞いた」

「幸い、皆は無事です」

 爆発事件が発生したことは問題だが、それに伴い怪我人が発生しなかったのが不幸中の幸いというべきだろう。

 これに関してはセリナが責任を負うべきものではなく、アリエルの知識と技術が足りなかったのだから仕方がない――と言い、セリアを咎めることはしない。
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