不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
卓巳くんが昼間に私と会うのは、夜に本命の彼女とデートするまでのつなぎ。

私も同じことされるんだ。


「萌香ちゃん? どうかした? それじゃダメかな?」


ぼんやりしていた私の顔を卓巳君が覗きこむ。


「ううん。それでいい……」


その答えに満足そうに微笑むと、卓巳君は私の頬にキスをした。

そしてポンポンと頭を撫でる。


「お姫様、ご機嫌なおった?」


こんな私、誰に話してもバカだって言われるだろう。

だけど、私は卓巳君からのキスひとつで幸せな気分になれる。

弄ばれているだけかもしれないのに、私はどうしようもないぐらい卓巳君が好き。

彼女と会うまでのつなぎにされても、二番目でもいいとさえ思ってしまうの。


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