不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
両手で卓巳君の体を離そうとする。


「無理。もう止めらんねぇ……」


ゴツゴツと浴槽に当たるふたりの体の音と、ピチャピチャと水の跳ねる音が、狭いユニットバスに響く。

体も顔も桃色に火照って、のぼせそう。

腕を伸ばしてギュッと卓巳君の体にしがみついた。だけど、力が入らない。


あれ……?

体がフワフワして、視界がぼんやりする。

絡めたはずの腕が卓巳君の体から離れていく……。

バシャンという音とともに、頭からブクブクとお湯の中に沈んで……。


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