不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
私はベッドに寝かされていた。

卓巳君はベッドの端に腰かけて私を見つめる。


「気にすんなよ。まぁ……途中までしかできなかったのが残念だったけど」


おどけて言う卓巳君。


「途中……?」


言いながら思い出した。

そっか、さっき私達お風呂の中で……。


「ごめんなさい……」


突然恥ずかしくなった私は、布団を引き寄せて顔を半分ぐらい隠した。

だけど卓巳君は、布団をわざとひっぱって私の顔を覗きこむ。


「ぷっ……顔まっ赤。まだのぼせてんの?」


クスクス笑いながら、私の頬を指ですーっと撫でる。

そんな風にされたら、ますます赤くなっちゃうよ。


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