不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「あの……プレゼント用ですか? ご自宅用ですか?」


いつまでも答えようとしない私に、不思議そうな顔を向ける店員さん。


「あ、はい……。プレゼントです」


声が震えた。

なんて偶然。

自分のタイミングの悪さをつくづく呪いたくなる。

そのかわいらしい声にぴったりな顔。

ふわりと花が咲いたように笑う笑顔。

見まちがうはずもない。


和美さんだ。


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