不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
彼女は手袋をビニール素材の袋に入れて、お店のロゴマーク入りのリボンを丁寧に結ぶ。


「メッセージカードもおつけしますね。よかったらお使いください」


にっこり微笑むと小さなカードを添えた。

私はその手つきをじっと眺めていた。

小柄な彼女はやっぱり手も小さくてかわいらしかった。

きちんと手入れされた指や爪。

赤ちゃんみたいに白くて柔らかそうな指に、薄桃色と白のフレンチネイルが清潔感を漂わせていた。


私の荒れたカサカサした手とは大ちがいだ。


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