不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
しゃべりながら、なかばパニックに陥っていた。

こんな形で和美さんに接触してしまうなんて。
神様のいたずらに思えてしまう。

会いたくなかった。

あんな可愛い声をしているんだってことも知りたくなかった。


「ちょっ……萌香」


私の言葉を遮る沙耶。

彼女の顔はさっきよりさらに強張っていた。

嫌な予感がして、沙耶の視線の先を追って恐る恐るうしろを振り返る。

そこには、はぁはぁとまっ白な息をきらせて女の子が立っていた。


「あの……」


首をかしげ、ほんの少し不安そうにしている彼女の顔を、私は黙って見つめることしかできない。


和美さん。
どうしよう……。

今の話、聞かれちゃった?


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