不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
その後、私達はお茶でも飲もうと近くのカフェに入った。

私の中に生まれた和美さんへの罪悪感。

もう自分でもどうすればいいのかわからないぐらい混乱してしまった。

沙耶も複雑な気持ちを抱えているのか、さっきからずっと黙ったままだ。


私は、まだ口にしていないコーヒーをぼんやり眺めていた。

その時、この気だるい空気を変えるような能天気な声が耳に届いた。


「あれぇ? すげぇ偶然」


ほんとにすごい偶然だ。

ニコニコと笑顔でこちらに近づいてくるのは、優一君。

その後ろには、卓巳君もいた。

こんなタイミングでなければ、きっとうれしがっていたと思う。

だけど、今はそんな気分になれなかった。


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