不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「王子様……?」


キョトンとする私に、卓巳君はまるで拗ねた子供みたいにそっぽを向いて言う。


「なんでもねぇよ」

「そか……」


私には言いたくないことなのかな。

そりゃそうか。クリスマスイブは和美さんと過ごすんだもんね。


「でも、そんなに無理して、体大丈夫?」

「んー……あんまし大丈夫じゃない」


言葉じりはほとんど聞き取ることができないぐらい小さかった。

そしてそのまま、「オレ……も……限界」とテーブルにつっぷしてしまった。

スースーという寝息が聞こえはじめる。


早っ……。
もう寝ちゃったの?


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