不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
クリスマスイブ
* * *
最後にする、なんて決意しながら、この気合いの入れようはなんなんだろう。
壁にかかった黒のシフォンワンピースをぼんやりと眺める。
今日はクリスマスイブ。
この日のために、わざわざ新しい服を買ってしまうなんて、私ってホントバカ。
イブに会うといっても、相変わらず外で待ち合わせするような約束はしていない。
今日も卓巳君の部屋に呼ばれただけで、どこかに出かける予定もない。
だからこんなにオシャレしてもあんまり意味ないんだけどなぁ。
それでも、卓巳君にちょっとでもかわいいって思われたいんだ。