不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
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いつもよりにぎわいを見せる商店街を通る。
どこからか流れてくるクリスマスソングや、華やかな飾りつけのせいかな。行き交う人みんなが幸せそうに見える。
小さなケーキ屋さんの前で足を止めた。
有名パティシエの作る洗練されたケーキというよりは、昔ながらの素朴な味わいの手作りケーキが並ぶような、そんなお店。
なにかに引き寄せられるように、自然とそのドアを開けて、中に入った。
「いらっしゃいませー」
店員さんからにこやかな笑顔を向けられ、私はショーケースに近づく。
上段には、生クリームやチョコレートでデコレートされたホールケーキや切り株風のクリスマスケーキが並んでいた。