不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「お決まりですか?」

自分に向けられた声にハッとして顔をあげると、ショーケースのむこうでニコニコ笑っている店員さんと目が合った。


「いえ……。あの……」


どうしよう。

なにも考えずにお店に入ったものの、買わないわけにはいかないよね。

でも、クリスマスケーキはダメ。

きっと卓巳君は今夜、和美さんと食べるもん。


ふとショーケースの上のカゴに目が留まった。

そこには、袋詰めにされた人型クッキーが置かれていた。

ひとつひとつ手作りなのかな。

それぞれ少しずつちがうユーモラスな表情は、見ているだけで和む。


「かわいい……」


思わず口にすると、店員さんが説明してくれた。


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