不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版

商店街の出口付近は、ひときわにぎわっていた。

どうやらクリスマスセールのまっただ中で、この期間に買い物をすると金額に応じて抽選券がもらえるらしい。

私もさっきのケーキ屋さんで1回分の抽選券をもらっていた。

ここはその抽選会場のようだ。

せっかくだから、やっていこう。

カウンターで抽選券を差し出す。

昔ながらの木製の抽選器。中に色とりどりの小さな玉が入っていて、色によって当選が決まるという仕組みだ。


「お姉さんは、1回だけね」


ハッピ姿の、いかにも威勢のよさそうなおじさんが声をかけてくれた。

レバーを握る。

こんなの子供の頃以来で、ちょっとだけワクワク。


< 151 / 277 >

この作品をシェア

pagetop