不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
えいっ、と回してみると、赤い玉がコロンと出てきた。


「おめでとう~! 4等でーす」なんて言いながら、おじさんが手に持っていた鐘をカランカランと鳴らす。

「え? 4等?」

「はい、どうぞ」


なにがもらえるのかと期待した私の手に渡されたのは、見覚えのある小さな箱。


「アポロチョコ……」


その苺模様のパッケージを見て、思わずつぶやいてしまった。


「うん。4等はチョコね。おめでとう」


ニコニコ笑うおじさんにつられて、私もプッと吹き出してしまった。

そういえば、卓巳君の研究室でこれ食べたよね。

あの時はビックリしたな。

卓巳君たら、私の口の中のチョコ、全部持ってっちゃうんだもん。


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