不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「姫ー! 卓巳見つけてくれたんだって?」
丸めた台本のようなもので肩を叩きながら、男の子が近づいてくる。
「うん。見つけたよ。探すの大変だったんだから」
「あいつ、女に会いに行ったって聞いたけどマジかよ?」
その言葉に、一瞬チラリと私のほうを見た和美さん。
「マジマジ。ホント、信じらんない。本番直前に抜け出すなんて」
「だよな。ま、見つかってよかったよ。んじゃ、そろそろ始めっか。観客もお待ちかねだし」
男の子はくるりと私達に背を向けるとステージのほうへ行った。そしてマイクを手にアナウンスを始める。
「え~。皆様お待たせいたしました。逃亡していた主役がやっと見つかりまして……」
その瞬間、客席からドッと笑い声が起こった。
「ではただ今より上演させていただきます」
その声を合図にするように、ホールの照明が落とされた。
丸めた台本のようなもので肩を叩きながら、男の子が近づいてくる。
「うん。見つけたよ。探すの大変だったんだから」
「あいつ、女に会いに行ったって聞いたけどマジかよ?」
その言葉に、一瞬チラリと私のほうを見た和美さん。
「マジマジ。ホント、信じらんない。本番直前に抜け出すなんて」
「だよな。ま、見つかってよかったよ。んじゃ、そろそろ始めっか。観客もお待ちかねだし」
男の子はくるりと私達に背を向けるとステージのほうへ行った。そしてマイクを手にアナウンスを始める。
「え~。皆様お待たせいたしました。逃亡していた主役がやっと見つかりまして……」
その瞬間、客席からドッと笑い声が起こった。
「ではただ今より上演させていただきます」
その声を合図にするように、ホールの照明が落とされた。