不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「あの……」と、私は和美さんに小声で話しかける。

「和美さんって、もしかして姫川さんっていうんですか? この病院って、つまり……」

「ああ。ここうちの病院なの。といっても、おじいちゃんのものだけどね」

「そうなんですか……」


和美さんの名前は、“姫川和美”なんだ。

そして合コンで男の子達が話してた“姫”っていうのは、きっと和美さんのあだ名。

和美さんはさらに説明を続けてくれた。


「このホールいいでしょ? 普段はカフェテリアとして利用してるんだけど、時々、こうやって催し物とかやるの」


なんとなくこの状況が読めてきてはいるけど、まだ腑に落ちないことがたくさんある。


「催し物って、あの、卓巳君は一体これからなにをするんですか?」


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