不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「それは見てればわかるよ……って、もったいつけるほどのことじゃないか」


和美さんは肩をすくめ、話し始めた。


「私達、大学でボランティアサークルやってんの。で、これはその活動のひとつなの」

「ボランティア……」


そうだったんだ。

卓巳君がそんなサークルに入っているなんて、全然知らなかった。


「クリスマスだっていうのに、自宅に戻ることもできない患者さんやそのご家族のためになにかできないかってことになってね。去年はマジックショーをやったの。でも、大失敗でさぁ。それなら、今年は演劇でもやろうかってことになって。卓巳はその劇の主役なのよ」

「そうだったんだ……」


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