不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
卓巳君はふふんと鼻で笑った。
『サボってた』とか言うわりに、ちっとも反省なんてしてなさそう。
そういうところ、卓巳君らしいと言えば、卓巳君らしい。
「さすがにマズいなって思って、練習に参加したの。和美と一緒にいたのは、劇で使う小道具の買い出しに付き合ってたからだよ。あいつ、なんでもこだわるほうでさ。わざわざアンティークショップで色々探してたんだ。和美って、変わりもんなんだよな、実家金持ちのくせに、バイトなんかしてるし」
「そうだったんだ」
「そうだよ。オレだって、ホントは萌香と映画観たかった」
“萌香”。
さりげなく呼び捨てにされて、私の胸はキュンと音をたてた。
『サボってた』とか言うわりに、ちっとも反省なんてしてなさそう。
そういうところ、卓巳君らしいと言えば、卓巳君らしい。
「さすがにマズいなって思って、練習に参加したの。和美と一緒にいたのは、劇で使う小道具の買い出しに付き合ってたからだよ。あいつ、なんでもこだわるほうでさ。わざわざアンティークショップで色々探してたんだ。和美って、変わりもんなんだよな、実家金持ちのくせに、バイトなんかしてるし」
「そうだったんだ」
「そうだよ。オレだって、ホントは萌香と映画観たかった」
“萌香”。
さりげなく呼び捨てにされて、私の胸はキュンと音をたてた。