不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
これまでも、何回かそう呼ばれたことはあったんだけど。

それはなぜかエッチの最中で、普段はいつも『萌香ちゃん』だったから。

そんな些細な変化がうれしくて、頬がゆるむ。

その様子に気づいた卓巳君は、「ん?」と首をかしげるんだけど、私は「ううん、なんでもない」って首を振って、卓巳君の指を握る手にキュッと力を入れた。

私達、付き合ってるんだね、なんて改めて実感する。


「ねぇ、卓巳君」

「ん?」

「さっきの……あれ、本気?」

「へ?」


一瞬目を丸くした卓巳君は、私が言いたいことがわかったのか、「ああ……」とうなずいた。


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