不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「初めて萌香を見たとき、ピンときた。オレ、絶対この子と結婚するって」

「ええっ」

「あの合コンの時、なんとかして隣に座ったものの、ずっと話しかけるきっかけ探ってた。そしたら、ああいう話題になって……。今しかないって思ったら、オレ、あんな発言してたんだ」

「そうだったの?」

「うん」


卓巳君の顔は、もう、頬だけじゃなく耳までまっ赤だ。照れ隠しのためか、片手で口元を覆った。


「ああっ。もう、こういうこと言わせんなよ。オレ、マジでカッコ悪ぃ」


それから、あの時のことをくわしく聞かせてくれた。

ふたりきりになれたことを喜ぶ一方で、こんな簡単にホテルに連れこんでしまって、軽いヤツって思われてそうだなって。ずっと後悔してたって。

だからあの時、私のメアドを聞くことができなかったらしい。

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