不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「そうだったんだ。卓巳君てそういうの全然話してくれないから、わかんないよ」

「ごめんな」

「もぉ、不安にさせないで?」

「うん」


見上げた私の顔に影がかかる。

そして卓巳君の唇が触れそうになった瞬間……。


「あ……」


ふたり同時に呟き、そして空を見上げた。


「雪だ……」


まっ白な粉雪がチラチラと舞って私達に降り注ぐ。


「今夜はホワイトクリスマスだな」


卓巳君がにっこり微笑んでそう言った。

静かに舞う粉雪はきっと空からの贈り物。

「おめでとう」って、神様からの祝福を受けているような気がした。

卓巳君の唇が私の唇を優しく包みこんだ。

この近くにも教会があるのかな。どこからか讃美歌が聞こえる。


いつかは、チャペルの神様の前で祝福されたいな……。

そしたら、永遠の愛を誓ってね。


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