不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「卓巳君?」



「ん?」


卓巳君は顔を上げて、私の目を覗きこむ。


「私、今、“好き”って言葉じゃ足りないぐらい卓巳君のことが好き」

「オレも……」


熱い吐息が首筋にかかる。


「愛してる」


そう耳もとで囁かれて、泣きそうになった私は卓巳君にキュッとしがみついた。

彼の手がキャミソールの中に入ってくる。

触れるが触れないかぐらいの微妙な指先に焦らされて、私の体の熱はどんどん上昇する。

きっとわざとだ。

もっとちゃんと触って? 

そう思って、キュッと目を閉じた瞬間……。


――ぐうううううう。


この場にふさわしくない音が響いた。


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