不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
ビニールの包みを外して、箱を開けた。


「はい。あーんして?」


1粒取り出して彼の口に入れる。

その瞬間、卓巳君はなにかひらめいたような顔をした。


「そうだ。オレ、すげぇことできるんだ」

「すごいこと?」

「ああ。アポロチョコのさ。イチゴチョコの部分とミルクチョコの部分があるだろ? あれを口の中できれいに分けることできるんだよ」

「ええ~。まさかぁ。信じられない」

「マジだって。よくさ、サクランボのへたを舌で結べたらキスがうまいなんて言うじゃん? アポロチョコを分けられるオレのほうがよっぽどすげぇって思わない?」

「ええ~? もう、わけわかんない」


私はクスクス笑う。


「だいたい、どうやってするの?」


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