不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
なんて考えていると、目の前に卓巳君が舌を出して見せた。


「あ……」


思わず絶句。

だけど、次の瞬間には叫んでいた。


「すごい! すごい!」


アポロチョコは、本当にきれいにふたつに分かれていた。ピンク色と茶色に。


「うそぉ。すごい」

「だろ?」


卓巳君は、満足げにフフンと鼻で笑う。

まるで芸をした後に「ほめて! ほめて!」って期待しながら、シッポ振ってる子犬みたい。

そんな顔見てたら、自然と頬が緩んじゃう。


「ご褒美あげなきゃ……」


そう言ってみたけど、卓巳君には聞こえなかったみたい。

「ん?」って首をかしげてる。


< 263 / 277 >

この作品をシェア

pagetop