不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「そうだよね。私がこんなに神経質になってちゃダメだよね」

「まぁ、今が頑張りどきなんだろうけどさ。萌香も敦も」


ベッドにもたれて寝ていた萌香の姿が頭に浮かぶ。

よっぽど疲れてたんだろうな。

あんまり無理するなよ、という気持ちを込めて、彼女の頭をなでた。


とはいえ、今日はオレも家事やってもらったりして、甘えっぱなしだったわけで。なんか悪いことした気になる。


「うん、心配してくれてありがと。じゃ、私もう帰るね。……あ、そーだ。卓巳君、もしかして引っ越し考えてるの?


帰り支度をしている彼女の目線の先には、住宅情報誌。


「ああ。ここ狭いから、もうちょい広めのとこ探そうかなーって思ってさ」

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