不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
電話のむこうで押し殺したような笑い声が聞こえる。

ああ、最悪。絶対、アホな女だって思われてるよぉ。

落ち着け、私っ!
心臓うるさいっ。

指先は緊張で冷たくなってるし、意味不明なことばっか言ってるし。

もぉ、自分で自分が嫌になるよ。


《昨日は、メアド聞くのすっかり忘れててさ。教えてもらえるかな、連絡先》

「うん、大丈夫だよ」


私は自分のアドレスと携帯番号を告げた。


《あのさ、萌香ちゃん、今日会えない?》

「えっ……」


これって、誘ってくれてるの?

また会ってくれるの?


《ダメかな?》

「ううん。ううん……大丈夫」


卓巳君に見られてるわけでもないのに、スマホを握りしめながらブンブンと首を横に振った。


信じられない。
また会えるなんて。
うれしすぎて、もう泣きそう。


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