不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「……んっ…」


卓巳君の舌がゆっくりと私の口の中を堪能する。

次に、私の舌の上ですでに溶けて原形をとどめていないであろうチョコを、絡めとる。


「甘ぇ……」

「卓巳くん……」

「全部、ちょうだい」

「ん……」


卓巳君の息が、体が、熱い。私もきっと同じようになってる。

もう、止めらんないよ。


「萌香、顔見せて?」


卓巳君は両手で私の顔を包みこんで、自分のほうへ向けた。

ドキンと、胸の奥が音をたてた。

なんでそんなに切ない顔で見つめるの?


それからキスをして、ギュっと抱きしめてくれた。

ふたりの間になにも入るすき間がないぐらい力強く。


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