不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
体の熱はどんどん上昇する。

口の中のチョコと同じように、私の体も溶けちゃいそう。

頭がぼんやりとしてなにも考えられなくなる。

なのに……。

『たとえ誰もそばにいなくても、恥じることのない清い行いをしなさい。神様はちゃんと見ていますよ』

遠い意識のむこうで、なぜか急にお母さんの声が聞こえた気がした。


来る時に通った教会や讃美歌が頭に思い浮かぶ……。

胸がざわざわとして不安が押し寄せてくる。

怖くなってギュッと目を閉じた。


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