不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
神様……。

体ではなく心で通じ合う愛を“純愛”と言うのならば、私のこの気持ちはなんと呼べばいいのですか?

愛されているのかもわからない人と何度も体を重ねてしまう私は、穢れているのでしょうか?

この恋はまちがっているのですか?

だとしても私は……彼が求めるのであれば、何度でもこの体を差し出してしまうでしょう。


ゆっくりと瞼を開ける。

潤んだ瞳に気づかれたくなくて、顔を背けた。

視線の先にあったのは白く曇った窓ガラス。

外はまだ雪が降っているのだろうか。

それなら、もっともっと降ればいい。

まっ白な雪が降り積もって、どうか私の罪を隠してほしい。

そう願って、また瞼を閉じたら……ひとしずくだけ頬を涙が伝った。

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