不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
彼とあの子
* * *
「はぁあああああ」
今日何度目かのため息をついた。
また昨日もしちゃった……。
エッチだけの関係なんてダメだって思うのに、結局いつも流されちゃうんだよね。私のバカ。
「やっぱ、そうなったか……」
そばにいた沙耶がコーヒーを口にしながら、呆れ顔で言う。
結局、試写会には沙耶と行った。
映画を観終わり、今は駅前のカフェでお茶を飲んでいる。
「なにが?」
「だからぁ、本気になっちゃったんでしょ? 卓巳君のこと」
沙耶に嘘ついてもしょうがない。私は返事をする代わりに小さくうなずいた。
「やっぱりね。萌香には、体だけの関係なんて無理だと思ってた」
沙耶はそう言って、長い髪を耳にかけた。
「ていうかさ……。例外はあるけど、やっぱ女は心と体を切り離せないよ」
「じゃ、男の子はどうなの?」