不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「残念だけど、欲求を満たすためだけのエッチができる男の率は女より高いと思う」

「そうだよねぇ……」


私はまた、はぁと小さくため息をついた。


「そんなに気になるなら、確かめてみなよ」

「ええっ」

「告ってみたらいいじゃん。好きって言ってみれば?」

「そんなこと言えないよ」

「なんで?」

「怖いよ……。今さらそんなこと言えないよ。だって、むこうからはなにも言ってくれないんだよ? それって好きじゃないって言われてるようなもんだよ。告って拒否られるぐらいなら、もうこのままでいいかなって……」


カップの中のコーヒーを、意味もなくスプーンでクルクルとかき混ぜてみる。


「萌香ぁ……」

「ホントはずっと後悔してるんだ」

「なにを?」


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