不機嫌でかつスイートなカラダ ベリーズ文庫版
「好きだったよ? 智也のこと……」
「うん。そうなんだけど……なんていうか……」
言いにくそうに口ごもる沙耶。
「いいよ? はっきり言ってくれても」
沙耶は一度、すうっと息を吐いてから、私の顔をじっと覗きこんだ。
「じゃ、正直に言うね。萌香は初めてできた彼氏の存在がうれしかっただけなんじゃないかな? 好きだって言ってもらえて、なんとなく付き合って……。彼氏ができたことに浮かれて、自分も好きだって思いこんでたんじゃない?」
沙耶の言葉を噛みしめる。だけど、自分のことなのによくわからなかった。
「一度誰かと付き合っちゃうとさ、今度はひとりになるのが怖いんだよね。おかしいよね。付き合う前まではさ、ずっとひとりだったはずなのに。萌香はひとりになるのが怖くて、智也にしがみついていただけじゃないかな? 本気で好きなわけじゃなかったんじゃないの?」
「うん。そうなんだけど……なんていうか……」
言いにくそうに口ごもる沙耶。
「いいよ? はっきり言ってくれても」
沙耶は一度、すうっと息を吐いてから、私の顔をじっと覗きこんだ。
「じゃ、正直に言うね。萌香は初めてできた彼氏の存在がうれしかっただけなんじゃないかな? 好きだって言ってもらえて、なんとなく付き合って……。彼氏ができたことに浮かれて、自分も好きだって思いこんでたんじゃない?」
沙耶の言葉を噛みしめる。だけど、自分のことなのによくわからなかった。
「一度誰かと付き合っちゃうとさ、今度はひとりになるのが怖いんだよね。おかしいよね。付き合う前まではさ、ずっとひとりだったはずなのに。萌香はひとりになるのが怖くて、智也にしがみついていただけじゃないかな? 本気で好きなわけじゃなかったんじゃないの?」