孤独な歌姫 緩やかに沈む

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 佐倉さんは嘘をつかなかった。

 彼と恋をする代わりに私のもとにはキラキラと眩く輝く曲たちが舞い降りた。




 私はそれを嬉々として歌う。
 これほど、幸せなことなんてなかった。
 自分が好きな歌を歌って。
 自分の歌を聴く人がたくさんいて。





 街を歩けば私が歌う歌が溢れてる。お店に入れば、流れるサウンドミュージックは私の歌だし、それを口ずさむ客たち。だけど、佐倉さんと私の関係は長くは続かなかった。





 お互いに仕事で顔を合わせ、言葉を交わす。それ以上、それ以下でもない関係。仕事以外に関係があったことなんて忘れてしまうほど。それでも仕事上では佐倉さんは仕事上で私にとってかけがえのないパートナーになりつつあった。





 慣れてくると作詞も作曲も任されるようになっちゃたりして。





 私の曲を最大限に活かしてくれるのは彼だった。


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