゛クウソウ カノジョ゛
『海都・・・急に電話なんて
かけてきてどうしたの?
なんか急用なの?』



いつもの落ち着いた
少し冷たい声ですら、
愛しく感じられる。




「薫、俺今、
薫の家の前まで来てるから
下まで来て!!!」



『え?なんでいるの!?』





突然のことに
ビックリしてるようだ。



電話なんか1年に
2、3回かける程度で、
ましてや急に
”会いにきた”なんて
言ったら驚くだろうな。




『・・・・っていうか、
今から私、
そっちに行くから、
まっててね!!』




ピーッ、ピーッ、と
電話の切れる音が
したかと思うと、
急いで階段を
降りている足音が聞こえた。



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