レンタルな関係。
「くそ」
なんて、呟いちゃってます。
「不器用だね」
「だから黙ってろって」
「ヘタクソだね」
「うるせ」
「まだかな、まだかなー」
「……」
オモシロイ。
からかうって、最高。
流川のヤツ、私をからかって、いつもこんなに楽しい思いしてたんだ。
くそー。
ぱち…と音がしたような気がしたけれど。
まだ耳元で動く流川の手。
「足、疲れてきたんだけど」
「もう少しだ」
「まだふらふらするんだけど」
「待ってろって」
「できれば座りたいんですけど」
「はあ? じゃ、座れ」
言って。
ふたりでそろりそろりと低くなり。
ぺたんと腰を下ろすフローリング。
私は正座して。
耳を持たれてるから、ちょっと顔を突き出すような格好で。
流川はあぐらをかいて、ちょっと前傾姿勢。
か、顔が…近い。
まずった。
「あ、あの、まだ?」
突然小声になる私に。
「顔赤いぞ、お前」
ニンマリ流川。
ううう…立場逆転。