レンタルな関係。
 
床に、でん、と座ったカエル。

 
しかしホントにデカイよ、これ。

 
立たせると、私の身長くらいあるかも。

 
 
カエルの顔をのぞきこんで、まじまじと見ていると。



「ねえ、唯衣、そのピアスってさ、もしかしてあの店の?」


 
髪を束ねてあらわになった私の耳を見ながら、麻紀が聞いてきた。



「ん~、あの店のかは…わかんないけど、同じもの」


「わかんないけどって。自分で買ったんじゃないんだ」


「うん、もらったの」


「へえ、誰に? 要くん?」


「いや…流川直人に」


「えええっ?! なにあんた、もうヤッちゃったの?!」


「やっ…どうしてそうなるのよ」


「だって変じゃん、会ったばかりの女にいきなりプレゼントするやつなんている?」


「…まあ…男がどうのこうのって言ってたけど…私にはよくわかんないよ。でもとにかくくれたの。あ、言っておくけど、何にもないからねっ、アイツとは」


「へえ~~ふ~~ん」


 
う。疑ってる。

 
なにその、漫画みたいな表情は。



「一緒に買いに行ったわけ?」


「ううん、行ってない」


「じゃ、頼んだの?」


「ううん、頼んでもいない」


「じゃあなんで、唯衣の欲しかったものわかったわけ?」


「なんでだろ? 単なる偶然みたいだけど」


「偶然? そんなことある?」


「う~ん…わかんないよ」


「流川直人ってさ、エスパーなんじゃない?」


「はあ?」


 
アゴに手を当てて、真剣に考える麻紀の顔。

 
そこ、真剣に考えるとこじゃないし。


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