レンタルな関係。
なんだかんだと言いながら、和気藹々と夕食を堪能した私たち。
「なんで酔わないんだ~ 流川直人はぁ~」
「飲み比べ」なんて勝手に言い出した麻紀は、ヘロヘロになって流川にからんでいる。
瓶ビールを1、2、3…ひとりで確実に5本以上飲んでいて。
くわえて追加で頼んだ日本酒も入り。
「この~~ 酔え~~ 流川直人~」
ヘロヘロというより、ベロベロだ…
あ~あ…まっピンクのブラジャーが…
っていうか、プリプリの谷間が見えてるって…
「麻紀、お前飲みすぎ。これ以上飲んだら、夜中に絶対夢遊病者みたいに起き上がって、俺に相当な暴力をふるうことになるしっ! もうやめてくれ~」
祐二くんが麻紀のはだけた胸元を直しながら必死にお願いしている。
「うるさい。お前も飲め~~」
今度は祐二くんに絡み始めた麻紀は、グラスを無理やり祐二くんの口に運んで。
あああ、こぼしてるし…
意外に酒に強い麻紀も、流川には敵わないらしい。
流川は、しれっとしながら、麻紀にどんどんつがれるお酒を流し込んでいく。
「大丈夫なの?」
聞くと。
「全然」
平然と流川。
「あんた…酒豪だね」
「オネエマンに鍛えられたからな」
「…なるほど」
「お前のほうこそ大丈夫か、顔、赤いぞ」
「うん。まだ平気」
ビールは苦いから、あんまり飲めなくて。
流川についでもらった分がまだ残っている。
「それより、この山菜、すごく美味しい。この煮物も信じらんないくらい、美味しい」
「だな、美味いな」
「はあ~幸せ♪」
「良かったな」
「うん♪」
流川の目が、優しくなる。
ちょっとだけ赤い顔に、血色のよくなった唇。
わずかに触れた口角を思い出してドギマギし、視線をそらした。
そういえば、なんで平気でいられるんだ、コイツ。
私も私だ。普通に会話なんてしちゃってるし。
よく考えればこのあと…ふたりだけの部屋に戻るんだった。
絶対、危険だ。