レンタルな関係。
これは…もう仕方ない。
正座して。
太ももの上に、流川の頭をのせる。
「ぎゃ…ぎゃぼ…」
自分でやっておきながら、すごい動揺。
く、くそ…早いとこ飲ませちゃお。
「これで飲めるでしょ。は、早く飲んで」
口元にボトルを運んでやって。
目を閉じたままの流川に上から呼びかける。
「く、くちっ、開けろって」
「んん…」
軽く開けられた流川の口。
ちょ、やば…
母性本能をくすぐられるってヤツですか、これ。
意識してないのに…いや十分しちゃってるけど、胸のなかで別の意味の可愛さが沸いてしまって。
頭を支える手が…
流川の頭がのってる太ももが…
くすぐったい。
「ほ、ほら早く」
薄く目を開いた流川が、ボトルに口をつける。
そっとボトルを傾けると、コクリと動く咽元。
う…ちょっと…
可愛いかも。
「もっと飲む?」
「ん」
頷く流川。
コクン…コクン…咽が鳴る。
あああ…口の脇から零れちゃってるし。
浴衣の袖で拭いてやる。
はっ! 何してんだ、私っ。
これじゃ、デカイ赤ちゃんじゃないのっ。
「も、もういいでしょっ。頭、下ろすよ」
ボトルに蓋をして。
流川の頭を両手で支えて、太ももから下ろそうとしたその時。
「待て」
つかまれた、両手首。
「もう少しこのままいてくれ」
潤んだ目に見つめられて。
「少しでいいから」
水で湿った唇が懇願する。