レンタルな関係。
「これ、プレゼント。遅れたけど。誕生日おめでとう、唯衣」

「え?」

「ごめんな、ホントに」

「あ、ありがとう」


 受け取って。


「開けていい?」

「うん」


 開いてみると。

 
「可愛い…」

「気に入るかどうかわかんないけど」

「ありがとう…要くん」


 細い鎖に、クローバーのモチーフがついたネックレス。


「唯衣さ、ネックレス無くしたって言ってたろ? 同じものじゃないから、代わりにはなんないかもしれないけど」

「え?」


 あ、ネックレス…

 思わず、カエルのほうを見てしまう。

 無くしたはずのネックレスは…

 カエルがここに来てから、見つかっていて。

 カバンの奥に、しまってある。


「気に入らなかった?」


 不安そうな要くんの声に。


「あっ、ううん。すごく可愛い。ありがとう。すごい嬉しい」

「良かった」

「ホントにありがとう」

「うん」


 正直、本当に嬉しい。

 ちゃんと、無くしたこと、憶えててくれたんだ。


「つけてやるよ」

「…うん」


 立ち上がった要くんは、私からネックレスを受け取って。

 肩にかかった私の髪をすくって、後ろにまとめた。


「あれ? 唯衣、ピアス変えた?」

「え? あ…」


 流川からもらったピアス。


「買ったの?」

「あ、う、うん。買っちゃった」

「へえ、可愛いじゃん。似合ってるよ」

「あ、ありがとう」

「ネックレスも、ピンクの石で揃えれば良かったな」

「ううんっ、そんなことない。私、クローバーのモチーフ大好きだし」


 慌てて取り繕う。

 でも、クローバーが好きなのはホント。

 幸せになれるお守りのような感じがするから。




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