レンタルな関係。

◆キスマーク

 シャワーを浴びて。

 ベッドのなか。

 要くんと二人。

 久しぶりの腕枕で寝る、二人のベッド。


 昨日まで、流川もこのベッドを使っていたと思うと、なんだか不思議な感じがして。

 それでも。

 大好きな人の腕のなかで寝れる喜びを私は感じていた。


「唯衣」


 私の髪を撫でながら、要くんの声。


「うん?」

「さっき気づいたんだけどさ、胸んとこ」

「ん?」

「どしたの、それ?」

「え? なに?」

「赤くなってるけど」

「赤く?」

「うん、ここ」


 言って。

 要くんが触れたのは、私の左胸。


 指を追って見れば。


「…あ」


 赤い…

 キスマーク。


「あ、こ、これは…」


 流川の…

 小さく走った痛みは、これだったんだ…

 
「あ…転んじゃって」

「転んで?」

「う、うん。転んで…下にモノがあってね、ぶつけちゃって」

「…そそっかしいな、唯衣は」

「へへ…」


 苦しい言い訳。

 要くん…疑ってるかな。





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