レンタルな関係。
「でさ。唯衣のピアス思い出してさ」
「うん」
「ピンクトルマリンの意味はなにかな~って見てみたのよ」
「うんうん。なんだったの?」
「ま、その時はなんとも思わなかったけど」
「うん?」
麻紀は私の耳についたピアスを見て。
ニヤリ。
流川みたいな顔で笑った。
そ、その顔…
わかってても、顔が引きつるなぁ…
「なんか、笑っちゃうくらいの偶然ってあるんだね」
「ちょっと、もったいぶらないでよ」
「なんだと思う?」
「全然わかんないし。そういうの調べたこともないし」
「ふふん」
う…また。
流川みたいなその顔、やめれ。
「過去の愛を浄化し、新たな愛を導く」
「え?」
「ピンクトルマリンの意味」
「過去の愛を…」
「浄化し、新たな愛を導く。だってよ」
少し。
動揺する私。
「なんかさ、ぴったりじゃん? まあ、どうなるかは分かんないけどさ。唯衣と流川、そして要くん」
「……」
「まさか流川が意味を調べて買ったとは思えないし、これも単なる偶然だとは思うけどさ」
「う、うん」
「あんたの欲しかったものがそのピアスで、その石で。流川が選んだのがこの店で、その石で。これってさ、すごくない?」
…確かに…すごいかも。
「偶然も重なれば、運命みたいなもの感じるわね」
「運命って」
「もしくは、流川直人がエスパーだからなのか」
「……」
もう、否定する気もなくなってきた。
この際、流川はエスパーってことで納得しとくか。
っていうか、本気でそう思えてきた…